キメリズム検査
(骨髄移植後の生着確認・再発モニタリング)
※本検査は、医療機関を通じてのみ受託しております。
TL Genomicsの技術:新しいキメリズム検査のコンセプト
骨髄移植や造血幹細胞移植においては、レシピエント(=患者)の血液細胞がドナー(=提供者)由来の細胞に置き換わり、きちんと生着したことを確認する必要があります。また、退院後もレシピエントの血液腫瘍の細胞が復活してきていないか、再発のチェックを定期的に行うことが望ましいです。
移植してもうまく生着せず、あるいは再発した場合には、レシピエント体内にはドナー由来の血液細胞とレシピエント由来の血液細胞が同時に存在する状態が出現します。この状態をキメリズムといいます。
キメリズム検査のためには、由来を異にする細胞同士を識別するバイオマーカーを特定しなくてはなりません。従来の検査では、犯罪捜査等で使用されるSTRマーカーというものを採用していましたが、このマーカーを使用すると高感度のキメリズム検査ができないという欠点がありました。(すなわち、再発の兆候を早期に発見できませんでした)
TL Genomicsでは、前述のSTRに替わり、InDelマーカーという個人識別マーカーを採用し、レシピエントとドナーにそれぞれ特異的なマーカーを同定する新たなパネルを開発しました。InDelマーカーを調べるためには高額なコストがかかりますが、TL Genomicsでは新たな独自技術で圧倒的な低コスト化・高スループット化を実現しました。
TL Genomicsと大阪大学・国立がんセンター・東京医科大学が共同で実施した臨床研究の結果、再発を早期に検出しうる高感度かつ再現性のよい新たなキメリズム検査を開発しました。
※現在論文投稿中
※保険診療を目指して大阪大学を中心に臨床研究を継続する予定です。TL Genomicsではキメリズム検査の体外診断用医薬品の開発を目指しています。
※この検査は研究用です、診断用途では使用しないでください。
厳選した新たなInDelマーカー:ドナー・レシピエントの識別率は、同性間99.7%
TL Genomicsが開発した手法では、28個のInDelマーカーというものを使って、ドナーとレシピエントの個人識別を行います。
28個のInDelマーカーそれぞれの対立遺伝子出現率に従って、マーカーを保有する10,000人分の仮想データを作成し、ドナー役とレシピエント役の任意の2名を選び個人識別が可能か否か100,000回のシミュレーションを実施した結果、非血縁者のレシピエントとドナー間で99.7%(同性の場合、異性では100%)の確率でタイピングが可能と判明しました。新しいキメリズム検査を、多くの患者様に活用していただけるものと考えております。
<レシピエント>
<ドナー>
ドナーのマーカー情報がなくても移植後の再発モニタリング検査が可能です
TL Genomicsのタイピングアッセイでは、デジタルPCRという絶対定量の系を採用している強みがあるので、ドナーのマーカー情報が不明な場合でも、レシピエントのバッカルスワブ(口腔内試料)等から患者様(=レシピエント)特異的なマーカーを同定して、患者様の末梢血(=再発していなければドナー100%試料に相当)から差分をとって、ドナー特異的なマーカーを正確に同定することができます。
この強みは、患者様に大きなメリットをもたらします。例えば、移植時にSTRマーカーでキメリズム解析を行った方は、退院後もドナーのSTRマーカー情報しかないため、高感度な再発のモニタリング検査がないという忸怩たる思いをお持ちの方もいらっしゃいます。TL Genomicsのキメリズム検査はドナーのマーカー情報は不要ですので、どなたでも高感度で正確な移植後の再発モニタリング検査を受けることができるようになりました。
製品情報
製品名称 | Chimaira(キマイラ) |
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検査方法 | InDelマーカーをデジタルPCRで検出 |
試 料 | ・タイピング:バッカルスワブ、または末梢血(0.1~1.0ml) ・キメリズム解析:末梢血(0.1~1ml)または骨髄液(~1ml) |
当社のキメリズム検査を取り扱っているクリニック
■医療法人社団清樹会 富川クリニック (tomikawa-clinic.com)
住所:富山県射水市南太閤山3-1-15
連絡先:富川 武樹 先生(院長)
電話番号:0766-56-7373
E-mail: office@tomikawa-clinic.com